はじめての水質測定

水質徹底測定!

私は水槽の水質管理をこれまで「経験と勘」に頼って行ってきました。そして、水換えについては3,4週間に1度、4分の1程度の部分換水というスタイルで安定していました。ところが最近、「本当に水換えは必要なものなのだろうか?こんな間隔の長い部分換水なんてやってないのと一緒なんじゃないか?」という疑問が沸々と沸いてきました。そこで、「遅ればせながら」あるいは「何を今さら」な水質測定とあいなりました。

測定するのはpH(酸性・アルカリ性)、NO2(亜硝酸塩)、NO3(硝酸塩)の三項目です。測定に用いるのはテトラ社の「TetraTest」です(写真)。



水質測定をする水槽は3つです。水槽Aは45センチキューブ水槽で、大きな和金1匹とドジョウが4匹、水草はアヌビアスバルテリーが1株あります。4週間水換えせずに維持してきたものです。水槽Bは60センチワイド水槽で中くらいの和蘭獅子頭等が4匹とスジシマドジョウが5匹、水草はアヌビアスバルテリーが1株です。これも4週間水換えなしで維持してきました。水槽Cはカメ水槽です。90センチ水槽+60センチ水槽のオーバーフローでニホンイシガメ2匹、ドジョウ、コリドラス数匹のほか多数のミナミヌマエビやメダカが生息しています。水草はアナカリス、マツモ、ウィローモスです。こちらは3週間水換えをしていません。

測定結果は下の表のようになりました。

pHNO2NO3
水槽A6.51mg/l250mg/l
水槽B6.51mg/l500mg/l
水槽C6.51mg/l250mg/l

pHと亜硝酸については許容範囲内に収まっています。生物濾過がうまく立ち上がっている水槽なのですから、当然の結果ともいえます。これらの数値が異常であれば魚等にも当然異変が生じてきます。

目立つのが硝酸塩の数値の高さです。試験紙の説明書には「50mg/l以上の場合は対策を」との記載があります。測定した水槽にはその10倍程度の硝酸塩があることになります。これはある程度予想された結果です。測定した水槽はいずれも水草水槽ではなくて金魚やカメといった大型の生物がメインで暮らしている水槽です。そこに濾過装置を強化して酸化を促進しています。生物濾過の最終生成物である硝酸塩は溜まり放題、そのうえ水換えをしていないのですから、「それみたことか」な結果です。

ここでひとつの疑問につきあたります。硝酸塩の数値が高いのはわかりました。では、それは「よくない」ことなのか。硝酸塩が検出されないように毎週水換えすべきなのだろうか・・・? 飼育マニュアル等には「生物濾過を行うことにより猛毒のアンモニアから『無害な』硝酸塩にかわる」「しかし硝酸塩も大量にたまると魚に『悪影響』があるので定期的な水換えにより取り除く」と書いてあることが多いのです。「無害」だけど「悪影響」って、どういうこと? ひとつには硝酸塩が増えることにより水が酸性に傾くので悪影響があるということなのでしょうが、測定した水槽では弱酸性で高濃度の硝酸塩が直ちに酸性化をもたらすものでもなさそうです。

答えは食品関係のホームページにありました。実は硝酸塩が生物に毒性をもたらすか否かはいまのところ明らかになっておらず、硝酸塩は食品添加物として認められているということです。これで「無害」だけど「悪影響」という飼育マニュアルの記載の意味がわかります。硝酸塩が増えることによって生物に害を与えるわけではないんだけど、水が酸性に傾く可能性があるし、苔が生えやすくなったりという飼育の障害も増えるかもしれないので、悪影響があると言っておこう・・・ということでしょう(私の勝手な解釈では)。

水換えの効果

硝酸塩を汲み出すために水換えをする・・・では、水換えによって硝酸塩は本当に減少するでしょうか。

水槽Dは45センチキューブ水槽で、琉金タイプの小型金魚が4匹とドジョウが1匹、水草はアナカリスがあります。こちらも4週間水換えしていません。容量は70リットルなのですが、砂利を敷いてあるので水は55リットルくらいでしょうか。この水槽の水を20リットル換水しました。すると硝酸塩(NO3)は、

換水前・・・500mg/l  →  換水後・・・100mg/l

となりました。計算が合わないような気がしますが(300mg/lくらいになるはずなのに)、水を捨てるときに底のほうから汲み出したからでしょうか。「硝酸塩は底のほうに溜まる」とどこかに書いてあったような気がします。でも、試験紙で測定しているのはイオン化したNO3なので「底に溜まる」ことはないように思います。謎です。

なにはともあれ、水換えは硝酸塩を大きく減少させることがわかりました。

硝酸塩はどのくらいのペースで溜まる?

水換えにより硝酸塩の濃度が低下する割合は、ばらつきはあるものの「半減」程度であることが測定をくりかえすうちにわかりました。そうすると、短い間隔で水換えをくりかえせば、ある濃度以下には下がらなくなることで、硝酸塩が溜まっていくペースを知ることができるはずです。そこで、上記のA〜Dの水槽を4日に1回の間隔で3分の1から4分の1の水換えをくりかえしてみました。すると、50mg/l前後の濃度からは下がらなくなる現象がみられました。

極めて大雑把な計算ですが、水換えにより濃度が半減することからすると、100mg/l→50mg/lの水換えを4日に1回行うと希釈される分と蓄積する分がバランスするということですから、1日あたりの蓄積は13mg/lとなります。試験紙の説明書のいうように50mg/l以下に保とうとすれば、2日に1回水換えすればいいということですね。1週間に1度の水換えで済まそうと思えば、生物の数を3分の1に減らす、または、水の量を3倍にする、という対策が必要だということになります(ほんまに大雑把ですが)。金魚が1匹の水槽では3分の1にするというわけにいかなそうですので、今の70リットルの水槽(45センチキューブ)を3倍の200リットルの水槽(120センチ水槽)にするということになりそうです。カメ水槽は今でも250リットルですから、750リットル(魚屋のいけす?)にすれば万全です。

蓄積する硝酸塩の恐怖!一体我々はどうすればいいのか!?(笑)

試験紙の説明書のいう50mg/lを確実に下回る硝酸塩濃度を1週間に1度の水換えで保つには、前述のように水槽を巨大なものにするのがよさそうです。でも、金魚すくいの和金を1匹120センチ水槽に泳がせるというのは、かなり思い切りがいります。また、750リットルの水槽を部屋に置くには、一旦建物を解体して基礎からやり直す必要があるでしょう。早い話、「無理」ということです。

次に、硝酸塩の蓄積のペースを遅らせることが考えられます。1つは、餌を減らすことです。しかし、これをすると金魚が「腹いせ」に水草を食べて全滅させたりするので弊害が大きいです。また、水草や光を増強して植物による硝酸塩の吸収を促進する、脱窒(還元濾過)により処理する、ということも考えられます。これはある程度効果が期待できるもので、今後も研究する必要があります。

最後に、「気にしない」という方法があります。これまでの話は硝酸塩濃度を50mg/l以下に保つという前提でのものです。でも、このページの冒頭にあるように、うちの水槽では500mg/l以上の硝酸塩が検出されており、その状態でも生物(魚、エビ、水草)には何の異常もみられませんでした。試験紙の説明書のいう数値は「理想的な値」あるいは「かなり余裕をみた値」なのでしょう。硝酸塩の蓄積とそれによるpHの低下に対しては、平気な生物と弱い生物があると思われますが、金魚やカメの水槽ではとくに強靭な生物を選んで入れているので問題が起こらないと考えられます。硝酸塩を500mg/l以下に保つだけでよければ20日に1回の水換えでいいことになります。これは、我が家でのいつもの水換えのペースと一致します。もちろん、こんなうちの水槽に弱アルカリ性を好む水草なんかを入れたら一撃で溶けてしまうでしょうが。

結局、今回の水質測定の結果をうけてうちでは水換えの間隔は変えず(3週間に1度)、水草の増強をし、餌をちょっぴりひかえめにして様子をみることにしました。還元濾過については時間ができたら実験してみようと思います。


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