飼育総合編  2.大震災でカメたちはどうなった?

萬次郎まず最初に、先の震災で犠牲となった方々のご冥福をお祈りし、被害に遭われた方に心からお見舞い申し上げます。
あねごほんまにあの地震はひどかった。私らのいるあたりでは震度6強やったらしいわ。あの日はいつものように、バスキングライトの下で甲羅干ししてたんや。金曜日やったけど、飼い主の長男は高校の入学試験が終わって家にいた。それに、飼い主の奥さんも体調不良で家におったんや。3月9日に震度4くらいのまあまあ大きめの地震があって、なんか気持ち悪い揺れ方やったなぁと話題になってた。飼い主もブログに3月9日の地震のことをアップしてた。そんなとき、あの強烈な揺れが来たんや。
萬次郎あれにはびっくりしましたね。水槽の水は盛大に波打って、陸場の上まで波が被りました。水槽の水の三分の一くらいは外に溢れました。僕らの陸場は頑丈なので平気でしたが、かめたの水槽の陸場はレンガを積んだだけだったので、完全に倒壊しました。びっくりして水に浮いてたら、揺れが3分近く続いたんです。地震の多い宮城県でも、あんな長い時間大きく揺れるのは初めての経験でした。
あねごそらあんたは数年しかカメやってへんからな。なにしろ、千年に一度の大地震らしいで。地震と同時に電気が止まってろ過装置もヒーターも動かへんようになった。まだ3月やから、ヒーター無かったら寒い寒い。水温は15度以下に下がるし、バスキングライトも点かへんし、冬眠モードに入ってなかったうちらにとったら大ピンチや。夕方になって暗いから部屋に溢れた水を拭くこともでけへん。余震はひっきりなしにあるし、もう飼い主らにとったら「カメどころやない」ってなっても不思議ではない状況やった。
萬次郎飼い主は水槽の水は減ったまま、こぼれた餌が浮いたままで放置してましたね。ろ過装置やヒーターはコンセントを抜いて止めたまま。そのまま10日間放っておかれました。
あねご停電が直ったときに地震で壊れた電化製品が火を出したりしたら危ないやろ。それに、水を足してろ過装置を動かしたりしたら、余震が来たときにまた溢れるやろ。飼い主は、温帯に住んでるニホンイシガメやから、水温15度以下でも大丈夫やと踏んだんやな。水温を下げて活動しないようにしとけば水も汚れへんし餌も要らへん。爬虫類は餌やらんでも1週間くらい平気なのが多いから、「非常時やから我慢しとけ」ってことにされたんやな。
萬次郎そんなこんなで10日間放置されて、3月22日からろ過装置やヒーターを通常運転に戻したわけなんですけど、4月7日にまた大きな地震があったんですよね。
あねごあの地震のとき、飼い主はうちらの水槽の前でパソコンに向かってた。初期微動(P波)が来た瞬間に「大きいのが来る」ってわかったんやろな。飼い主はとっさにうちらの水槽を押さえた。そしたら、水槽の水が思いっきり飼い主の顔にバッシャーンや。全身ずぶ濡れなった瞬間に停電したし。
萬次郎なんか間が悪いというか、バラエティー番組みたいな展開ですね。
あねご飼い主本人は真剣で、ウケを狙ってるわけやなさそうやで。4月7日以降、水槽の水が溢れるような地震はないわけやけど、いつ来るかわかれへんから、カメも防災意識を高めておく必要がありそうやね。